有効数字

 本サイトでの燃費の有効数字は2桁です。

 
表には3桁目まで記載していますが、それは参考値でしかありません。

 燃費測定する点で走行条件の違いが燃費に大きく影響しますが、ある1回の満タン法による燃費測定において誤差を生じる要因として以下のようなことが考えられます。

満タンの判定 満タンの判定が非常に困難。特に車の姿勢に大きく左右される。ガソリンスタンド床面の傾斜、車の停車位置、方向が
大きく影響します。
燃料タンクの温度 タンクの容量はタンク本体の温度で変わります。気温、路面温度、走行直後(ラジエーター温風少ない)かどうか。
燃料計量器の誤差 計量器そのものに0.5%以下の誤差があります。
燃料の入れ方 燃料を勢いよく給油するときとゆっくり給油するときで計量器の誤差が異なります。
距離計の誤差 距離計そのものに誤差があります。
タイヤ半径 タイヤ半径は空気圧、タイヤ磨耗によって変わり、距離計の誤差の要因になります。

 上表を見れば燃費を3桁以上表記することが無意味であることが理解できると思います。よく雑誌等で燃費を4桁目まで表示し、3〜4桁目の差で燃費を評価したりすることがありますが、無駄なことです。満タン法による燃費測定はせいぜい有効数字2桁ですし、2桁目もそれほど信用できません。1回だけの測定結果で、実測20km/Lの車と実測21km/Lの車を比較し、後者が燃費がよいとは「評価」できないのです。18km/Lと12km/Lであれば明らかな差といえるでしょうが。

 実のところ「計測」というのは職人芸の世界です。燃費はまだ可愛い方で、成分分析等をする場合、計測の原理をよく理解し、必要な有効数字を確保するために誤差の要因を一つ一つつぶしていかなくてはなりません。最近の理科系の学校卒業者は、どちらかというとコンピュータ屋になってしまっており、入力するデータは常に正しいもの、という前提で思考する人が少なくありません。実際に様々な計測を行い、正しく計測することがいかに困難かを実感していないのです。ですから、理科系ではない雑誌屋が有効数字に無頓着なのも当然かもしれません。

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