ディーゼル排風による発電  

 電力販売会社エネサーブのサイト http://www.eneserve.co.jp/business_01.html の中に次のような文がある。

発電所に使用されるディーゼル発電装置の排風を利用して発電を行います。従来発電装置から出る排風は大気中にそのまま放出しておりましたが、本システムにより未利用エネルギーである排風を利用し発電することが可能となりました。発電した電力は発電所の電力と共に各お客様に送電されます。

 この頁の図からすると、排風はディーゼルエンジンの冷却水のラジエーター(冷却ファンにより通風)から排出されるようであり、回収ファンは排風出口に取り付けられている。

 さて、冷却ファンの本来の目的はラジエーターに風を通すことであるが、

排風発電用プロペラが抵抗になりラジエーターを通る風速が抑制

され、ラジエーターの冷却能力が小さくなる。ラジエーターの必要冷却能力を確保するためには、冷却ファンの送風量を増加させる必要がある。そして、ラジエーターでの冷却気温度増加がなければ、

風量増加に要するエネルギー>排風プロペラ回収エネルギー

である。プロペラによるエネルギー回収効率は理論最大値で59%(ベッツの限界)でしかないからだ。

 これに品位の低いエネルギー(ラジエーターによる冷却気のわずかな加熱)が加わったからといって、この不等式が変わるのだろうか。

 

 いわゆる省エネ技術にはこのようなものが少なくない。そして、エネサーブがどういう電力販売会社がよく理解できたように思う


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