プリウスとのCO2LCA比較(3)  

 すでに新型プリウスが発売され、ヴィッツもマイナーチェンジしています。そこで、新旧プリウス、マイナーチェンジ後のヴィッツのデータを検証してみます。

http://toyota.jp/prius/ecology/index.html に掲載されたプリウスのCO2LCA評価結果ですが、これは10万kmを10.15モード燃費で走行するという前提です。ですから、10万km走行で使用する燃料は

 100000/38=2632L

 これにガソリンのCO2排出係数2.322kg/Lを乗じれば、10万km走行で排出される走行CO2量が求められます。これが分れば、棒グラフの各区分の比率から、素材製造、車両製造、廃棄の各段階で排出されるCO2量が算出できます。

 さて、上のプリウスのLCA評価結果で比較対象になっている「同クラスガソリン車」ですが、走行によるCO2の比率からすると10.15モード燃費は15.5km/L程度です。それに相当する車はおそらくアリオンA20又はプレミオ2.0G(何れも10.15モード燃費15.6km/L)だと思われますので、以下、これがアリオンA20という前提で話を進めます。

 また、ヴィッツについてもトヨタのサイトにLCA評価結果があります。http://toyota.jp/vitz/ecology/index.html

 その1で書いたように、おそらく1.0F(10.15モード燃費22.5km/L)のLCAだと思われます。

 これらの10万km走行によるCO2量を計算し並べますと次のとおりになりました。もちろん、これは公表されたグラフから読み取り計算したものなので、誤差がある程度あります。

車種 10.15モード
燃費
          CO2量
素材製造 車体製造 走行
プリウス(新) 38 2880 1230 6110 1010 11230
アリオンA20 35.5 2330 1230 14880 410 18840
プリウス(旧) 35.5 3670 2470 6540 1000 13680
ヴィッツ1.0F 22.5 2250 790 10320 300 13660
   

 上表・図で分るように新型プリウスの排出CO2量が旧型プリウスより大きく改善されていますが、これは素材製造・車両製造時の排出量減少が大きく効いています。

 この数年間にプリウスの素材製造・車両製造技術に劇的な進歩があったようです。

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